オプション・バリアの攻防って一体何?【鷹鳩】

よくFXニュースやプロっぽい人の解説で『93円ちょうどにはオプションのバリアがあり、防戦売りが出て…』とかありますよね。
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ほとんど全部、93円を突破されると何かしら権利が消滅したりなにかと大変なので、その手前で売りオーダーを大量に入れておく、って論調です。なので93円手前では跳ね返りやすい、逆に93円超えると走りやすい、と。

でも、これってほんとでしょうか?

仮にあなたが、93円を突破されたら権利が消滅して嫌だなーと思っていたとします。92.90とか92.95とかにずらーーーって売りオーダーを並べます。これで無事93円突破されなかったらいいですよ。権利も保障されて、92.95のショートポジションも利が乗ってますからね。2倍美味しい。

でも93.00が突破されたら…? 逆に悲惨なことになります。オプションの権利は消滅、さらに92.90や92.95のショートポジションもやられていますよね。

賢いプロの投資家がこんなリスキーなことやりますかね…??

もちろん、93.00突破が物凄い損失になるってなら、ありえないこともないです。それこそ介入並みの金額でまさに『防戦売り』をするでしょう。でも、大きい為替の世界で1プレイヤーが為替の動きを防ぎきれるものではなりません。そうすると、巷で言うところの『防戦売り』って一体何なんでしょう????

ちょっと考えてみてください。ヒントは『最近危機状態にある欧州の国』です。

正解は『ギリシャ』。ギリシャ文字で γとかβとかδあるじゃないですか。

さて、巷で言うところの『防戦売り』って一体何なんでしょう????
世間で言われている突破させないために売りオーダーを置くとのは、まったく逆の話。
実は『93円を超えて欲しい人が、93円手前に売りオーダーを置く』というのが実態なのです。

『はぁ? 上がって欲しいのになんで売りオーダー置くねん? あほちゃうか?』

私もディーリングルームに来た当初はそう思ってました。しかし、そうじゃないのです。

例えば単純に考えると、(かなり雑に書いてますのでこれまた正確なオプションの理論ではないですが、ざっくりと理解することは出来ると思います)

・93円を超えると1億円貰える。でもオプション料が1000万円
・超えないと最初に払ったオプション料が全部、無駄になる
という人が居たとします。
裏にはこのオプションを引き受けた人がいますので、93円を超えて欲しくない人もいます。

さて相場は90円台から92円半ばまで上昇、さらに上がりそうです。
93円を超える確率も高まります。(*専門用語でオプションのデルタ値が上がるとも言います)
儲かる確率も高まります。
当初、93円を越える確率は30%くらいでしたが、92円台後半の今では90%まで上昇しました。

そうすると、この人はUSD/JPYロングポジションで9000万円含み益があると考えられます。
確率で言うところの期待値ですね。(あるいはデルタ90と言います)
92.99まで行けば限りなく1億円の含み益を持ったロングポジションになります。(確率が100%近くになる)
しかし、93円を超えない可能性も残っていますので、これまでのUSD/JPYの上昇分を利食うために売りオーダーを置きます。
仮に寸止めされたとしても、ショートポジションによって利益が残るからです。
また、オプションの特性として、ストライク(ここで言うと93円)に近いほど、デルタの値が大きくなります。
88円が89円になった場合より、92円が93円になったほうが、突破の確率って大きいですよね?
よくガンマって言いますけど。

なのでストライク(93円)近くではガンマが大きいため、デルタも相当の量になり、93円手前では大量の売りオーダーがずらーっと並ぶことになります。

あれ? 93円を超えて欲しい人が93円手前にずらっと売りオーダーを置くことになってますね。
なかなか難しいんですけど、こういうことなんです。

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コメント / トラックバック2件

  1. よねさん より:

    ディーラーさんならではの深い話ありがとうございます。
    これを覚えておけば93円を一回で突破とかほぼありえないから思い切って勝負できるわけですね。
    豪ドルは83円でしたっけ? 差し支えなければ他の通貨はどうなってるか教えてほしいです。

  2. 鷹鳩 より:

    よねさん

    93円も一例で出しただけなので、ここにオプションのバリアがあるわけではないのであしからず。
    基本的には こういうオプション情報って無視しちゃっていいとおもいます。
    個人でFXやる分にはね

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